お客様から「こんな器を探してもらえませんか?」という相談をいただく事があります。
その都度全力で探すのですが、窯やブランドはわかるものの弊社では仕入れが困難な商品だったり、すでに廃番になっている商品だったり、どこの商品なのか全く判明しなかったり と、色々な理由で探しておられる商品を納品できない残念な事も。
で、先日。
「この片口をさがしているのですが、、、」と、写真を持ってお客様がいらっしゃいました。
どこの器かわからないのだけれど、以前行った飲食店でこの片口で日本酒をいただいたら、大変美味しくて、ご自分のお店でも使ってみたい との事。
素敵なデザインの片口だなぁと思いながら探したその商品は、富山県高岡市にある 能作 の片口。純度100%の錫の片口でした。
能作は、あの "曲がる器" を生み出した、伝統的な鋳造技術と革新的なアイディアで世界から注目を集めている会社です。なるほど、素敵なデザインの片口な訳です。お酒がとても美味しかったと言われるのも納得です。錫は酸化や腐食に強く、抗菌作用も強いという特性を持っており、古くから飲食器として重宝されてきました。また 錫の器に入れた水は腐らない お酒の雑味が抜けて美味しくなる とも言われ、酒器や茶器などに使われてきました。
他の金属に比べて、やわらかく、それゆえ人肌に馴染む錫。
金属から創った器であれ土から創った器であれ、良い器というのは、手に馴染み、ゆえに目に柔らかく、ゆえに味わうときに幸福を呼び込む。そんな気がします。いいですよねぇ。
そうそう、錫は鳴くんですよ。ピキピキと。
錫は柔らかいので簡単に手で曲げる事ができるのですが、その時にピキピキと鳴くんです。錫鳴きです。
なんだか、かわいらしい金属です。
こちらの商品、無事納品させていただきました。
写真上の商品の定価|2016.03現在
能作 片口-小 ¥4500(税別)
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