器のトリセツ02「この器、電子レンジ使えるか問題」

この器、電子レンジで使えるか問題

「この器、電子レンジで使えますか?」と、聞かれることがよくあります。
陶磁器もガラスも、熱に強い器であれば、基本使えます。ですが、使い方には注意が必要です。特に、急激な温度変化(急熱急冷)には要注意で、割れたり、ヒビが入ったりします。例えば、冷蔵庫で冷やしていた器をそのまま電子レンジで使うと割れる危険があります。
また、電子レンジで使える器であっても、ヒビや傷のあるものは使えません。

それはなぜか。
電子レンジは「マイクロ波で、水分を含んだモノの温度を上げる装置」です。なので、温めたいモノに水分が無いと温めることはできません。
器の場合、器に吸水性がある、あるいはヒビなどがあると、器に入れたモノから器に水分が取り込まれます。すると、器の内部に取り込まれた水分はマイクロ波で温められ、器の温度も上がります。その時、温度が急激に上がると、器はその熱に耐えられず割れてしまいます。
また、器に吸水性が無い場合でも、その器の耐熱温度が低ければ、割れたり変形したり溶けたりという危険があります。

では、器の種類ごとに補足をザクっと。

陶器
陶器は吸水性のある器なので、使用中に器の温度が急上昇して割れることがあります。軽く温める程度であれば使えますが、電子レンジでの使用を推奨されていない窯も多いです。
ちなみに、耐熱陶器はどうかというと、吸水性はありますが耐熱性の高いペタライトという鉱物を配合して作られているため、電子レンジは使えます。が、使用上の注意などは確認して使用してください。
土鍋は、使えるものと使えないものがありますので、表記を要確認です。
電子レンジで調理をされる時は、電子レンジ対応の表記のある陶器を使ってください。
[ 益子焼・萩焼・美濃焼・瀬戸焼など ]

磁器
磁器は、ほぼ吸水性はなく、陶器よりも熱や衝撃に強い器です。電子レンジで使うことは出来ますが、電子レンジの注意表示や取扱説明書を確認してから使うようにしてください。
[ 有田焼・波佐見焼・九谷焼・ボーンチャイナなど ]

せっ器(ストーンウェア)
せっ器(炻器)は、陶器と磁器の中間的なもので、焼き締めとも呼ばれます。若干の吸水性はありますが、電子レンジで使うことが出来ます。
ですが、調理などに使う場合は、電子レンジ対応と表記のあるものを使ってください。
[ 萬古焼・備前焼・信楽焼など ]

ガラス
「電子レンジ可」のような電子レンジで使用できる表記のある耐熱ガラス容器であれば使うことができます。
ですが、加熱後に急に冷やすと割れることがあります。

電子レンジで使えない器
素材が何であれ、表面に色や金銀プラチナなどでの装飾やヒビ模様などがある器は使えません。また、繰り返しの使用で、目ではわからないヒビや傷が入ることもあるので、注意が必要です。
素焼きの器・漆器・木製竹製の器・金属製の器・紙製の器・耐熱性の無い器なども使えません。発火や焦げ、破損の危険があります。
プラスチックなどの樹脂製の器は溶けたり変形したりするので使用できませんが、容器の材質によっては「電子レンジ可」の表示があるものもありますので、買われる際には表記を確かめてください。

ちなみに、電子レンジが使えるからといって、オーブンや直火での使用が出来るとは限りません。オーブンや直火は、専用の器を使ってください。
そしてさらに、オーブンでは使えても、直火では使えない器もあります。直火で使う場合は直火に対応している器で。

器は正しく扱えば長く使っていただけます。
ぜひ、素敵な器と素敵なお料理をなが〜く楽しんでください。

弊社ショールームで色々な器を実際に手に取ってご覧いただけます。
お問い合わせ、お見積のご相談は、是非弊社まで。