長谷園、伊賀の土鍋

私事ではございますが、先日我が家の土鍋を伊賀焼の土鍋にいたしました。で、素晴らしさを実感。
火から下ろした後も弱火でコトコトと煮込んでいるような温度を保つというのは、なんと素敵な事かと。食事が終わるまで、ずっと熱々。さらに、いつもの鍋なのにいつもよりも美味しいという。

それはなぜか。
大昔、琵琶湖は現在の伊賀の地にあったのだそうです。その古琵琶湖が隆起してできた伊賀の地層には、堆積した植物や微生物の化石が含まれています。その地層の粘土を高温で焼成してつくる陶器は、化石が燃え尽き細かな穴が無数に空いている多孔質の焼き物になります。
この無数の穴には「蓄熱する」という性質があり、これが火から下ろした後も弱火でコトコトな状態に保てる理由です。
そして、弱火でコトコトのおかげで食材の美味さがグッと引き出される。

伊賀陶土のもうひとつの特徴は、耐火度の高さ。
土鍋などの耐熱陶器は、火に強い鍋にするために人工的に強度を増した調合土が使われています。ですが、伊賀陶土は無調合。七度焼きという別名で呼ばれるほど熱に強く、日本で採れる陶土で土鍋になるほどの耐火度を持つのは伊賀の粗土のみ。

ただし、永く使うためには手間もかかります。
粗土はそのまま使うと水漏れやひび割れの原因となるため、使い始めはお粥を炊いて、お粥のでんぷん質で粗土に目止めをしなくてはいけません。使っていくうちに、貫入というヒビが入ることもあります。これも粗土の性質。水漏れする場合は、使い始めと同じようにお粥を炊いて目止めします。また、洗った後は底面を十分乾燥させ、通気性の良い場所に収納しておかないとカビの原因にもなります。他にも、土鍋を火にかける時は底面に水気が無いことを確認してからなどなど。

手間もかかりますが、いつものお鍋が「どうやって作ったの?」と聞きたくなるほど美味しくなる伊賀の土鍋。
おすすめです。

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写真の商品の定価|2023.01現在
伊賀土鍋刷毛目 小(1~2人用)φ205㎜ x H125㎜ 750cc /¥8,000、伊賀土鍋刷毛目 中(2~4人用)φ270㎜ x H180㎜ 2500cc /¥10,000、伊賀土鍋刷毛目 大(3~5人用)φ305㎜ x H200㎜ 3500cc /¥15,000
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